運命と因果の解剖 (ja)
運命と因果の解剖 #7|『ベルセルク』「蝕」の真実:キャスカはなぜ「快楽の地獄」に沈溺させられたのか
はじめに:「快楽に沈溺した」という残酷な現実 『ベルセルク』の「蝕」で、フェムトとキャスカの間で起きた衝撃的な出来事。長年ファンの間でも「彼女は被害者として苦しんでいた」のか、「それとも快楽に屈してしまった」のかという議論が続いてきました。 ですが、パニックや極限状態における人間の体は、本人の気持ちとは裏腹に恐ろしいほど過敏に反応してしまうことがあります。キャスカの身に起きたことの本当のエグさは、彼女が自発的に快楽を楽しんだということではありません。魔(ゴッドハンド)の手によって、彼女の「体の生理反応」と「過去の恋心」が最悪の形で結びつけられ、抗うことのできない『最高度の快楽』の中に逃げ場もなく閉じ込められてしまったことにあるのです。 キャスカは強い性的快感を覚えながらも、決して快楽には沈溺せず、恐怖や苦痛といった拒絶の感情を持ち続けていた――。そう解釈する見解は、一見するとキャスカという女性のプライドや尊厳を守っているように見えます。 しかしこの見解は、裏を返せば『生理的な快感に抗えなかった者は、人間として屈した(名誉を失った)』という残酷な評価を突きつけることにもなりかねま